2020/1/20

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【新譜情報】パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)、NHK交響楽団、諏訪内晶子(ヴァイオリン)「20世紀傑作選? 武満徹:管弦楽曲集」(2020年2月5日)

パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)、NHK交響楽団、諏訪内晶子(ヴァイオリン) / 20世紀傑作選? 武満徹:管弦楽曲集[past_image 1]パーヴォ・ヤルヴィがNHK交響楽団の首席指揮者になって以来、実現を鶴首していたアルバムの登場です。ヤルヴィにとって武満徹作品集であるばかりでなく、初の日本人作曲家のレコーディングでもあります。 2015年9月にN響首席指揮者に就任して以来、N響の持つドイツ音楽演奏の伝統と高い機能性を生かせるレパートリーを中心に幅広い作品を取り上げてきました。その中で異彩を放っているのが武満徹の作品で、当アルバムは2016〜18年にかけて3つのプログラムで演奏された5曲の作品を1枚にコンパイルしたものです。初期の「弦楽のためのレクイエム」を除き、1980〜90年代の作品で構成されています。エストニアで生まれ、殊に自国のアルヴォ・ペルトやスヴェン・トゥールなどの同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げ、「現代音楽は怖くない」ことを世界各地で証明しているヤルヴィが、その独自の感性で捉えた武満徹感が披露されているのがこのアルバム随一の聴きどころの一つです。なお「弦楽のためのレクイエム」は、この演奏の直後に実施されたこのコンビによる初のヨーロッパ・ツアーでも取り上げられた演目、「ハウ・スロー・ザ・ウィンド」は2020年2月〜3月に予定されている2度目のヨーロッパ・ツアーで取り上げられることになっている演目です。 そのうち2曲はヴァイオリン独奏のための協奏曲的作品で、ソロをつとめるのはヤルヴィとの共演歴も長い諏訪内晶子です。諏訪内とN響は、2001年にシャルル・デュトワの指揮で「遠い呼び声の彼方へ!」を英デッカに録音しており、今回は17年ぶりの再録音となります。 武満徹作品の演奏史を彩ってきたN響ですが、当アルバムの5曲については、放送録音からのソフト化を除けば、セッション録音では過去に「弦楽のためのレクイエム」が2種(1961年岩城宏之指揮のキング盤、2001年のデュトワ指揮のデッカ盤)あるのみ。N響による武満作品のフル・アルバムも、1984年、東京文化会館における「作曲家の個展」でのライヴ盤(日本のCBSソニーから発売)くらいしかなく、その意味でも今回のアルバムは大きな注目を集めること必至です。(SONY CLASSICAL NEW RELEASE INFOMATIONより)[past_image 2]<Photo: NHK Symphony Orchestra, Tokyo> パーヴォ・ヤルヴィ、ついに武満徹を振る 武満の音楽の理解を助けてくれたのは、私が大好きなフランス音楽の演奏経験だった。いわゆる印象主義の作曲家の作品だ。だから武満の音楽語法は、自分にとって遠いものではなかった。そして、感覚に訴えかけてくるサウンドもそうだ。特に後期の作品のサウンドは、耳の感覚に溶け込んでくるかのようだ。こうした音楽は分析的で形式ばることも多いが、武満の音楽は、感覚的で色彩感が横溢している。それゆえ、私は彼の音楽に惹かれるのだ。 NHK交響楽団は武満作品の演奏経験が豊富で、私も彼らが武満の音楽に対して共感を抱いていることが一瞬にしてわかった。N響は武満の音楽への親和性を持っているーー彼らが初めて弾く作品であっても。武満の音楽語法に同調する感覚。それはおそらく自分たちと同じ国の作曲家であること、そしてこれまでその音楽語法を学んできたからでもあるだろう。N響で武満の音楽を演奏すると、なぜかそういう感覚がある。それはパリ管弦楽団とフランス音楽を演奏したときと似ている。オーケストラの個々の奏者の深い部分で、自国の作曲家に対する直感的な理解があって、それまで弾いたことがない作品であっても、手になじむのだ。ーーパーヴォ・ヤルヴィ(ライナーノーツより) 発売日:2020年2月5日予定 品番:SICC19045(ハイブリッドディスク) レーベル:アールシーエー レッドシール 価格:3,200円(税込) 収録内容: 武満徹: 1.弦楽のためのレクイエム(1957) 2.ノスタルジア——アンドレイ・タルコフスキーの追憶に——(1987) 3.ハウ・スロー・ザ・ウィンド(1991) 4.遠い呼び声の彼方へ!(1980) 5.ア・ウェイ・ア・ローンII(1981) 録音:2017年2月22日&23日、横浜みなとみらいホールにおける「N響横浜スペシャル」でのライヴ・レコーディング(1)、 2016年9月14日&15日、サントリーホールでの 第1841回 定期公演 Bプログラムのライヴ・レコーディング(3、5)、2018年2月21日&22日、サントリーホールにおけるNHK交響楽団第1881回定期公演(Bプログラム)でのライヴ・レコーディング(2、4)(DSDレコーディング) 演奏: 諏訪内晶子(ヴァイオリン)[2、4] / NHK交響楽団 / パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) 詳細・購入: ソニー・ミュージックエンタテインメント ◆パーヴォ・ヤルヴのプロフィールは下記をご参照ください。https://www.japanarts.co.jp/artist/PaavoJARVI ◆諏訪内晶子のプロフィールは下記をご参照ください。https://www.japanarts.co.jp/artist/AkikoSUWANAI - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 国際音楽祭NIPPON 2020 芸術監督:諏訪内晶子 [past_image 3]特設サイトこちらから 諏訪内晶子 & ニコラ・アンゲリッシュ デュオ・リサイタル 2020年2月14日(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール 諏訪内晶子プロデュース ベートーヴェン 室内楽マラソンコンサート 2020年3月8日(日)13:00 東京オペラシティ コンサートホール ジャナンドレア・ノセダ指揮 ワシントン・ナショナル交響楽団 2020年3月10日(火)19:00 サントリーホール 諏訪内晶子 室内楽プロジェクト Akiko Plays CLASSIC with Friends 2020年3月11日(水)19:00 紀尾井ホール 諏訪内晶子 室内楽プロジェクト Akiko Plays MODERN with Friends 2020年3月13日(金)19:00 紀尾井ホール 公開マスタークラス(ヴァイオリン) 2020年3月14日(土)・15日(日) 各日11:00〜 東京音楽大学 池袋キャンパスA館内教室
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