2019/11/30
【マリインスキー ・オペラ】歌劇「スペードの女王」演出家 アレクセイ・ステパニュク インタビュー
「スペードの女王」演出家 アレクセイ・ステパニュクにお話を伺いました。
ぜひ、ご覧ください。[past_image 1] 「マゼッパ」と「スペードの女王」の魅力についてお話しいたします。
チャイコフスキーの傑作には「エフゲニー・オネーギン」も含まれます。オネーギンは前回来日で上演しました。「マゼッパ」も「スペードの女王」もプーシキンの詩を基に作られています。「エフゲニー・オネーギン」も同じように。プーシキンは、チャイコフスキーにとって特別な存在でした。
「スペードの女王」については永遠に話していられるくらいです!あらゆる作曲家の作品の中でも最も優れた作品だと思っています。
心と胸の中でも自分に近い作品で、自分がチャイコフスキーの道化師なのではないかと思うほどです。[past_image 2] 私のキャリアの中で、この「スペード」はマリインスキー劇場での6つめか7つめの作品ですが、この作品は、チャイコフスキーがフィレンツェでたった44日間で書き上げました。驚くべき短時間です。
プーシキンの原作では、賭博への熱情を表しています。賭博に勝つためだけに、お金のことだけを考えています。リーザは登場人物の1人ですが、彼女はゲルマンにとって、伯爵夫人のもとに辿り着くためだけに必要な存在です。プーシキンの原作ではゲルマンはリーザを愛していたわけではありませんでした。伯爵夫人から3つのカードの秘密を聞き出すためだけに、彼女が必要だったのです。チャイコフスキーのオペラでは全く違うようになっていて、大部分をゲルマンのリーザへの愛が占めています。非常に情熱的な恋。また普通でない恋でもあります。彼はその恋に苦しむことになるのです。[past_image 3] 音楽については、私が音楽院時代、ユーリ・テミルカーノフ指揮のマリインスキー劇場で「スペードの女王」を観ました。彼の解釈が強烈な印象をもたらしました。間の取り方、薄暗い雰囲気をもたらす和音など。そして、いま私たちの時代になり、私たちの偉大なゲルギエフと一緒に上演する時は、テミルカーノフよりもずっと、薄暗い雰囲気を拡げました。これはペテルブルクスタイルだと思います。荘厳な和音、何か宇宙的の力まで及ぶような、完全なる静寂に到達するデクレッシェンド、これら様々なポイントをゲルギエフは鋭敏に感じ取っています。私たちは、お互いの音楽と演出が補い合い一つとなり、チャイコフスキーの構想に忠実になれると思います。
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巨匠ゲルギエフ&ロシア芸術の殿堂 マリインスキー歌劇場が総力を結集して贈る
マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019
▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼[past_image 4]
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<公演情報>
マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019
歌劇「スペードの女王」
2019年11月30日(土)15:00 東京文化会館
2019年12月1日(日)15:00 東京文化会館
歌劇「マゼッパ」(コンサート形式)
2019年12月2日(月)18:00 サントリーホール
マリインスキー 歌劇場管弦楽団 演奏会
2019年12月5日(木) 19:00 サントリーホール(チェロ:アレクサンドル・ブズロフ)
2019年12月6日(金) 19:00 東京文化会館(ヴァイオリン:五嶋龍)
2019年12月7日(土) 13:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行)
2019年12月7日(土) 18:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン)
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