2019/9/14

  • Facebookでシェア
  • Twitterでツイート
  • noteで書く

【マリインスキー・オペラ】ゲルギエフが語る、歌劇「マゼッパへの思い」

2019年12月2日、サントリーホールにてコンサート形式で上演される歌劇「マゼッパ」。ドラマティックな楽曲でオーケストラが重要な役割を果たします。芸術総監督・指揮を務めるワレリー・ゲルギエフが作品についての思いを語りました。最新のチラシをダウンロードしていただけます。ぜひご覧ください![past_image 1]歌劇「マゼッパ」への思い 「マゼッパ」を日本の聴衆の皆様に紹介することは、とても意義のあることだと思っています。チャイコフスキーが「エフゲニー・オネーギン」の後に作曲した「マゼッパ」は、とても豊かでドラマティックで、そして、オーケストラが重要な役割を果たすオペラと言うことが出来ます。 また、同時に歌の部分も重要で、重量感のある歌手がいなければ上演は不可能です。ドラマティックで、かなりの声量とスタミナが必要とされる事から、これまで演奏される機会が少なかったのであろうと思います。今回の「マゼッパ」日本公演の歌手陣は、今日のマリインスキー劇場を支える今の世代の強力なメンバーで臨みますのでご期待ください。[past_image 3]<2019年6月白夜祭での上演「マゼッパ」より:コチュベイとマゼッパ> また、「マゼッパ」は「スペードの女王」と同様、ロシアの文豪プーシキンと偉大な作曲家チャイコフスキーという二人の天才による作品と言う事ができます。 「マゼッパ」はプーシキンの抒情詩「ポルタヴァ」を元にした、史実に基づく作品で、強いメッセージ性に溢れています。10人の声が時にオーケストラと対峙する場面もあります。マゼッパは70歳代、マリアは18歳。マリアに恋するアンドレイが主な登場人物で、「愛」がテーマとなっているオペラです。[past_image 2]<2019年6月白夜祭での上演「マゼッパ」より:マリアとマゼッパ> マゼッパは実在した人物で、このオペラにはロシアの歴史上で最も重要な皇帝の1人、ピョートル大帝も登場しますし、マリアの両親も実在しました。そしてこのオペラでは歌手陣によるアンサンブルは言うに及ばず、オーケストラ、合唱が雄弁に物語を導いていく重要な役割を担います。 私が24歳でモスクワ音楽院を卒業し、最初の数ヶ月間で初めて手がけた作品は、プロコフィエフの「戦争と平和」、そしてその次の作品が、このチャイコフスキーの「マゼッパ」でした。大抵の指揮者は、「エフゲニー・オネーギン」や「スペードの女王」を初めに上演しますが、私は先に「マゼッパ」を手がけました。スコアも難しく、私には大きなリスクを伴い、当時の自身のキャリアのスタートにはよくないのではないかと心配になったこともありました。 しかし、今改めてこの「マゼッパ」の作品自身が持つスケール、深さを考えると、多くのマエストロに取り上げていただきたい作品であることを痛感しています。デビュー当時の私が偶然取り上げることになった事も、今は自分にとって運命だったのではないだろうか、と思っています。 今年6月の白夜祭で上演した〈マゼッパ〉は、歴史的な演出に基づいたプロダクションで、聴衆に絶賛されました。スリムスキーはヨーロッパで引っ張りだこのバリトン、マリア役のバヤンキナ、メゾ・ソプラノのキクナーゼともに優れた歌手たちです。マリアの父コチュベイ役のトロフィモフは私の大好きな歌手の一人、この役にぴったりのバス歌手です。アンドレイ役には大ベテランのアキーモフが出演します。[past_image 6]<左より:ウラディスラフ・スリムスキー、スタニスラフ・トロフィモフ、アンナ・キクナーゼ、マリア・バヤンキナ、エフゲニー・アキーモフ> 「マゼッパ」の舞台はミラノ・スカラ座でも、マリインスキー劇場の歌手と共に出演しました。今秋、日本ではまずコンサート形式で上演しますが、いつか舞台での上演をお届けできる機会があると良いな、と思っています。 ▼画像をクリックするとチラシをPDFでご覧頂けます▼[past_image 4]
チャイコフスキー:歌劇『マゼッパ』【公演前レクチャー実施のお知らせ】
11月より来日するマリインスキー・オペラ『マゼッパ』上演に先駆け、音楽評論家の東条碩夫氏が、作品の映像を交えながら、オペラの見どころ聴きどころを解りやすくお話しします。 ◎日時:2019年10月18日(金)14:30〜16:30(受付開始14:00) ◎場所:美竹清花さろん     〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目12-8 ILA渋谷美竹ビル ◎入場料:無料 ◎予約申込み締切り:2019年10月12日(土)     ※定員になり次第締切りとなりますので、お早めにお申込ください。 予約申し込み・詳細はこちらから 受付終了
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 巨匠ゲルギエフ&ロシア芸術の殿堂 マリインスキー歌劇場が総力を結集して贈る マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 ▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼[past_image 5] 歌劇「スペードの女王」 2019年11月30日(土) 15:00 東京文化会館 2019年12月1日(日) 15:00 東京文化会館 歌劇「マゼッパ」(コンサート形式) 2019年12月2日(月) 18:00 サントリーホール マリインスキー 歌劇場管弦楽団 演奏会 2019年12月5日(木) 19:00 サントリーホール(チェロ:アレクサンドル・ブズロフ) 2019年12月6日(金) 19:00 東京文化会館(ヴァイオリン:五嶋龍) 2019年12月7日(土) 13:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行) 2019年12月7日(土) 18:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン) ⇒ 特設サイトはこちらから マリインスキー 歌劇場管弦楽団 日本公演 <東京以外の公演> 2019年11月28日(木) 19:00 福岡シンフォニーホール(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)アクロス福岡チケットセンター 092-725-9112 2019年11月29日(金) 19:00 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール(ピアノ:松田華音) (問)県民ホールサービスセンター 087-823-5023 2019年12月3日(火) 19:00 アクトシティ浜松 大ホール(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)公益財団法人浜松市文化振興財団 053-451-1114 2019年12月8日(日) 14:00 フェニーチェ堺 大ホール(堺市民芸術文化ホール)(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)フェニーチェ堺 072-228-0440
ページ上部へ