2019/9/5

  • Facebookでシェア
  • Twitterでツイート
  • noteで書く

【チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 マリインスキー・オペラ】出演者が語る<マゼッパ>の魅力〜スタニスラフ・トロフィモフ(1)

<マゼッパ>の日本公演で主人公のマゼッパと恋に落ちるマリアの父、コチュベイ役で出演予定のスタニスラフ・トロフィモフ。子供の頃からプーシキンをはじめロシア文学に親しみ、演劇要素のある作品を演唄することをこよなく愛す人物です。[past_image 1]トロフィモフさんは、<ボリス・ゴドゥノフ>、<ナブッコ>、<ドン・カルロ>のフィリッポ2世など、バス歌手として重要な役を歌われています。<マゼッパ>のコチュベイは、何度目ですか? 昨年以来3度目です。コチュベイは、ロシアのオペラ作品のレパートリーの中で、最も難しい役柄の一つではないでしょうか。まだ34歳の私にとっては、早いかもしれません。コチュベイ初心者ですね。[past_image 2]マリインスキー・オペラが<マゼッパ>を日本で上演するのは初めてのことで、お客様から高くご注目いただいています。 私はロシアの文化が大好きで、ロシアン・バスをやるようになりました。そういうわけで、ロシアのオペラ作品の登場人物を自然に理解することができます。子供のころから大好きで、良く知っています。私たちは皆学校でオペラの原作であるプーシキンの『ポルタヴァ』を暗唱し、チャイコフスキーの音楽も聴きました。私はこの役を歌うことになり、非常に満足しています。ほとんどすべてのロシアのオペラ作品も役柄も、バス歌手として、とても身近な存在です。 チャイコフスキーの音楽はスタニスラフさんの一部のようでしょうか? そうですね。ムソルグスキーやリムスキー=コルサコフと並んで、最も親しみを感じる音楽です。でも、チャイコフスキーの作品はこの二人の作品よりも難しいと思います。[past_image 3]それはどのような点で難しいのでしょうか? 技術的な面です。チャイコフスキーは、いかにして、より鮮烈な印象を与えるかという課題に取り組み、音色、ポリフォニー的なオーケストラの響き、そして力尽きるときの輝きを追求しました。これは声を振り絞ることとは違います。ぴんと張りつめられた弦のような音色です。このような技術的な生彩を追い求めたため、チャイコフスキー作品のパートは音程が高いのです。バスのパートは、低音から高音まで非常に広いテッシトゥーラ(歌唱可能な声域)を持っています。例えば『イオランタ』のルネ役のアリアは2分足らずですが、低音から高温までバスの全音域に及びます。コチュベイ役のアリアは、音域が高いため、音楽院ではバリトンが歌います。実際劇場ではバスが歌いますが。最大限の緊張、張りが要求されるのです。 ひとつの例には、オペラ『チャロデイカ(魔女)』 では、マムィーロフ役はバスで、クジマー役はバリトンで書かれていますが、マリインスキー劇場版では、マムィーロフとクジマーは一人の登場人物で、一人の歌手が両方のパートを歌います。バリトンのクジマー役は、バスにとってのマムィーロフ役よりも歌いやすく書かれており、バスはクジマー役の方が歌いやすいのです。チャイコフスキーはバス・パートから最大限の鮮やかな響きを引き出すのです。 次回に続く ⇒ 後半はこちらから
【チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 マリインスキー・オペラ】 ■《マゼッパ)あらすじゲルギエフとマリインスキー劇場、活気に満ちた白夜祭 ■出演者が語る<マゼッパ>の魅力 マリア・バヤンキナ(1) / マリア・バヤンキナ(2) / スタニスラフ・トロフィモフ(1) / スタニスラフ・トロフィモフ(2) / ウラディスラフ・スリムスキー
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 巨匠ゲルギエフ&ロシア芸術の殿堂 マリインスキー歌劇場が総力を結集して贈る マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 ▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼[past_image 4] 歌劇「スペードの女王」 2019年11月30日(土) 15:00 東京文化会館 2019年12月1日(日) 15:00 東京文化会館 歌劇「マゼッパ」(コンサート形式) 2019年12月2日(月) 18:00 サントリーホール マリインスキー 歌劇場管弦楽団 演奏会 2019年12月5日(木) 19:00 サントリーホール(チェロ:アレクサンドル・ブズロフ) 2019年12月6日(金) 19:00 東京文化会館(ヴァイオリン:五嶋龍) 2019年12月7日(土) 13:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行) 2019年12月7日(土) 18:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン) ⇒ 特設サイトはこちらから マリインスキー 歌劇場管弦楽団 日本公演 <東京以外の公演> 2019年11月28日(木) 19:00 福岡シンフォニーホール(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)アクロス福岡チケットセンター 092-725-9112 2019年11月29日(金) 19:00 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール(ピアノ:松田華音) (問)県民ホールサービスセンター 087-823-5023 2019年12月3日(火) 19:00 アクトシティ浜松 大ホール(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)公益財団法人浜松市文化振興財団 053-451-1114 2019年12月8日(日) 14:00 フェニーチェ堺 大ホール(堺市民芸術文化ホール)(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)フェニーチェ堺 072-228-0440
ページ上部へ