2019/8/22
【マリインスキー・オペラ】ミハイル・ヴェクア《スペードの女王》タイトルロールの歌手に聞く
11月30日(土)、東京文化会館にて行われる【チャイコフスキー・フェスティヴァル2019】、マリインスキー・オペラ「スペードの女王」(新演出)にゲルマン役で出演予定のミハイル・ヴェクアが役柄とマエストロ ゲルギエフについて語りました。こちらのインタビューはPDFでチラシのダウンロードが出来ます。ぜひご覧ください。[past_image 1] ミハイル・ヴェクア(テノール/ゲルマン役)
2012年「ラインの黄金」ローゲ役でマリインスキー劇場にデビュー。今目覚しい活躍を続けるヘルデン・テノール。卓越した演技力には定評がある。初来日。極真空手を習ったこともあり、日本文化に深い興味を抱く。
[past_image 2] <チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」の舞台、主人公ゲルマンをドラマティックに演じ、歌う>
「スペードの女王」の役柄について、主人公ゲルマンはリーザを愛していて、愛する人への気持ちはとても強いけれども、自分はカード賭博に勝って、お金が欲しい。結局、ゲルマンは自分の愛よりも欲望の方に行ってしまいますね。
ゲルマンの人生に「愛」が、「愛」というよりは「熱情」が生まれたとき、彼に二つの考えを巡る内面の苦悩が始まります。ゲルマンが恋するリーザは高貴な家柄で、彼のものになるわけにはいかない運命。ですが彼はその運命に抗いたいと思います。ここでゲルマンの内面に激情が生まれます。人は、何が正しい行いなのかがわかっていながら、時には正しく行動できないことがあります。なぜなら、心のうちに、現実と己の希望や欲望との間に大きな乖離があり、葛藤が生まれるのです。[past_image 3] ラストシーンで、ゲルマンが「スペードのクイーン」のカードを引いたとき、彼の頭の中ではどんな感情が渦巻いているのかお聞かせください。
最初、ゲルマンは運命のカード(=3枚目のカード)を見てさえいません。彼はそれがまさに「A(エース)」のカードであると信じ切っていて、「あなたが持っているのはスペードのクイーンです」と周りに言われても、冗談を言っているのだと思います。彼は「何のカードですか」と聞き返し、「スペードのクイーンです」と言われ、「まさか」とカードを見て驚愕します。
プーシキンの原作では、ゲルマンは発狂し精神病院でひたすら「3、7、A…3、7、クイーン…」と繰り返します。チャイコフスキーのオペラでは、彼の葛藤が行き詰まるがゆえに、自殺以外の選択肢を見つけることができなくなります。[past_image 4] マエストロ・ゲルギエフは、あなたにとってどのようなインスピレーションを与える存在ですか?
ゲルギエフは、現代の卓越した指揮者、天才だと思います。彼の解釈はいつも新鮮で、それは他と較べようがありません。音楽は毎回、新たな生彩を放ちます。そして、ゲルギエフの指揮で、歌手が本領を発揮できます。これは最も重要なことです。(中略)彼の天才的なところは、歌手に演じる上での自由を感じさせる点です。それでいて、あくまでクラシックの手法に、作曲家が書こうとしたものに依拠します。彼は歌手を助け、表現の翼を与えてくれるのです。
[past_image 5] 「スペードの女王」あらすじ
ドイツ人士官ゲルマンは身分の違う貴族の娘リーザに激しい恋心をもちます。ある時伯爵夫人が、かつて?モスクワのヴィーナス"と呼ばれた「3枚のカードの秘密」を知る人である事を知った所から、ゲルマンの心に欲望の火が灯り、やがて彼の中の狂気の歯車が回り始めます。その狂気は伯爵夫人から「カードの秘密」を聞き出し、愛するリーザまでも振り切り、ゲルマンを賭博場に駆り立てます。しかし「勝ち札」であったはずの3枚目のカード「A(エース)」は伯爵夫人の「呪いのカード(スペードのクイーン)」となって、ゲルマンは賭けに敗れます。すべてを失ったゲルマンは自ら命を断ちます。
▼画像をクリックするとチラシをPDFでご覧頂けます▼[past_image 6]
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
巨匠ゲルギエフ&ロシア芸術の殿堂 マリインスキー歌劇場が総力を結集して贈る
マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019
▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼[past_image 7]
歌劇「スペードの女王」
2019年11月30日(土) 15:00 東京文化会館
2019年12月1日(日) 15:00 東京文化会館
歌劇「マゼッパ」(コンサート形式)
2019年12月2日(月) 18:00 サントリーホール
マリインスキー 歌劇場管弦楽団 演奏会
2019年12月5日(木) 19:00 サントリーホール(チェロ:アレクサンドル・ブズロフ)
2019年12月6日(金) 19:00 東京文化会館(ヴァイオリン:五嶋龍)
2019年12月7日(土) 13:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行)
2019年12月7日(土) 18:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン)
⇒ 特設サイトはこちらから
マリインスキー 歌劇場管弦楽団 日本公演 <東京以外の公演>
2019年11月28日(木) 19:00 福岡シンフォニーホール(ヴァイオリン:五嶋龍)
(問)アクロス福岡チケットセンター 092-725-9112
2019年11月29日(金) 19:00 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール(ピアノ:松田華音)
(問)県民ホールサービスセンター 087-823-5023
2019年12月3日(火) 19:00 アクトシティ浜松 大ホール(ヴァイオリン:五嶋龍)
(問)公益財団法人浜松市文化振興財団 053-451-1114
2019年12月8日(日) 14:00 フェニーチェ堺 大ホール(堺市民芸術文化ホール)(ヴァイオリン:五嶋龍)
(問)フェニーチェ堺 072-228-0440