2019/7/25

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【チャイコフスキー・フェスティヴァル2019】ゲルギエフとマリインスキー劇場、活気に満ちた白夜祭

サンクトペテルブルグで約2カ月間にわたり開催された「第27回白夜の星音楽祭」が、7月21日に終了しました。巨匠ゲルギエフが音楽監督を務めるこの白夜祭の時期、ペテルブルグの空は夜10時ごろまで明るく、街は多くの観光客で賑います。[past_image 1][past_image 2]古く趣のあるマリインスキー劇場?、運河を隔てたモダンなマリインスキー?(新劇場)、そしてコンサート・ホールでは、オペラ、バレエ、オーケストラ、室内楽、リサイタルが連日繰り広げられ、プラシド・ドミンゴ、アンナ・ネトレプコ(アイーダ)、ネルソン・フレイレ、ラン・ランをはじめ大物アーティストらが登場し、世界中から芸術を愛する人々が訪れます。特に今年は、6月中旬から下旬にかけて「第16回チャイコフスキー国際コンクール」が開催されたこともあり、劇場は例年以上の活気が満ち溢れていました。[past_image 3]今年11月から12月、ゲルギエフとマリインスキー歌劇場が来日し、チャイコフスキー・フェスティヴァルを繰り広げます。新演出のオペラ<スペードの女王>、日本初披露となる名作<マゼッパ>をコンサート形式で、そして交響曲全6曲、協奏曲5曲のオーケストラコンサートを短期間の中で演奏しますが、今年の白夜祭ではこれらのオペラ2作品も上演されました。 ゲルギエフは、日本公演に<スペードの女王>と<マゼッパ>選んだ理由をこう説明します。「チャイコフスキーは、オペラ、バレエ、管弦楽、歌曲、ピアノ協奏曲…何においても傑作を生み出してきました。しかし、まだ日本ではあまり知られない優れた作品が沢山あります。特に<マゼッパ>は知っていただくべき作品だと思います。最も大切なことは、<マゼッパ>は単なる“チャイコフスキーの作品”ではなく、作品自体が非常に強い力を持っているということです」。[past_image 4]6月7日に上演された<スペードの女王>の会場マリインスキー?は、モダンなフォルムとシンプルなクリスタル・シャンデリアが美しい劇場。広々としたロビーには、スタイリッシュなドレスに身を包む女性たちの姿も目立ち、オペラが日常に根付いている様子が伺えます。開演前に「今日は特別な公演です」とアナウンスが入り、伯爵夫人を演じるボガチェワが現在75歳、55年間マリインスキー劇場で歌う記念の公演とのこと。客席からは大きな拍手が沸きあがりました。[past_image 5]指揮はパヴェル・スメルコフ。ゲルギエフが信頼を寄せるアレクセイ・ステパニュクの演出では、シンプルながら豪華な舞台セットと、上流貴族の雰囲気を醸し出す重厚な衣裳が視覚的に楽しめます。物語の始まりは、子供の頃の主人公ゲルマンがトランプでピラミッドを作る場面、のちのゲルマンの数奇な運命を暗示するかのようです。この日のゲルマン役は、ミハイル・ヴェクア。身分違いの女性への愛と賭博への情熱の間で揺れ動く心の葛藤、狂気に堕ちるゲルマンの多彩な情感を、ドラマティックな歌声にのせて聴き手を魅了します。 うごめくような金管楽器の響にも消されぬ豊かな声の歌手陣、色彩豊かな合唱と迫力のオーケストラ。2カ月間の白夜祭において連夜上演をするマリインスキー劇場の総合力の高さを感じた夜でした。[past_image 6]今回、ヴェクアをはじめ、出演者たちに新演出の<スペードの女王>の魅力を語ってもらいました。この後、連載でお届けします。
【チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 マリインスキー・オペラ】 ■《スペードの女王》あらすじゲルギエフとマリインスキー劇場、活気に満ちた白夜祭 ■出演者が語る<スペードの女王>の魅力 ミハイル・ヴェクア(1) / ミハイル・ヴェクア(2) / エカテリーナ・セルゲーエワ / ロマン・ブルデンコ(1) / ロマン・ブルデンコ(2)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 巨匠ゲルギエフ&ロシア芸術の殿堂 マリインスキー歌劇場が総力を結集して贈る マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 ▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼[past_image 7] 歌劇「スペードの女王」 2019年11月30日(土) 15:00 東京文化会館 2019年12月1日(日) 15:00 東京文化会館 歌劇「マゼッパ」(コンサート形式) 2019年12月2日(月) 18:00 サントリーホール マリインスキー 歌劇場管弦楽団 演奏会 2019年12月5日(木) 19:00 サントリーホール(チェロ:アレクサンドル・ブズロフ) 2019年12月6日(金) 19:00 東京文化会館(ヴァイオリン:五嶋龍) 2019年12月7日(土) 13:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行) 2019年12月7日(土) 18:00 東京文化会館(ピアノ:セルゲイ・ババヤン) ⇒ 特設サイトはこちらから マリインスキー 歌劇場管弦楽団 日本公演 <東京以外の公演> 2019年11月28日(木) 19:00 福岡シンフォニーホール(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)アクロス福岡チケットセンター 092-725-9112 2019年11月29日(金) 19:00 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール(ピアノ:松田華音) (問)県民ホールサービスセンター 087-823-5023 2019年12月3日(火) 19:00 アクトシティ浜松 大ホール(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)公益財団法人浜松市文化振興財団 053-451-1114 2019年12月8日(日) 14:00 フェニーチェ堺 大ホール(堺市民芸術文化ホール)(ヴァイオリン:五嶋龍) (問)フェニーチェ堺 072-228-0440
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