2019/3/1

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“時代が追いついた!エイフマン・バレエの現在”〜桜井多佳子(舞台評論家) [エイフマン・バレエ]

5ヶ月後に来日公演が迫ったエイフマン・バレエ。 ボリス・エイフマン スペシャル・インタビュー、舞踏評論家・桜井多佳子さんによる"時代が追いついた!エイフマン・バレエの現在"が掲載された魅力たっぷりのチラシが完成しました。ぜひご覧下さい![past_image 1]今年1月、エイフマン・バレエの新作リハーサルがサンクトペテルブルクのエイフマン・バレエ・アカデミーで行われた。そこには、なんとマリインスキー・バレエの現役ダンサーも見学に来ていた。「すごく興味がある!」「エイフマンの新作は常にチェックしている!」。ロシア・バレエ界の話題の中心であり、その公演のチケット入手が困難なことでも知られるのがエイフマン・バレエだ。 一昨年の白夜のシーズン。やっと手に入れたチケットは最上階。そこは平土間同様、地元の人たちで埋め尽くされていた。すべてのエイフマンのレパートリーを知る長年のファンは、マリインスキー・バレエなども見るが、「エイフマンは外せない」と熱く語る。 特に人気が高いのが、この日に上演された『ロダン〜魂を捧げた幻想』。ロダンと若い弟子カミーユとの恋の激しさと切なさが、ダイナミックで繊細な身体の動きで描写される。エイフマンの振付は、見るものの心に直接訴えかける。ロダンの激情が、シャープなダンスとなり観客の心をストレートに打つ。それが理性では抑えられないまっすぐな気持ちなのだということを、理屈抜きに納得させる。もうひとつの代表作『アンナ・カレーニナ』でも、アンナとヴロンスキーとの狂おしいほどの感情の高まりは、そのままアクロバティックなほどの動きとなる。男性の頭上高く放り上げられた女性が空中で一回転して再び男性に抱きとめられる。サーカスと見まごうばかりの動きはそれだけでも見応えがある。だがそれはすべて感情の表れ。ゆえに深く大きな感動を呼ぶ。エイフマンは、ロシア初の現代舞踊の振付家とも言われているが、動きの基礎はクラシック・バレエ。そしてダイナミックな動きで、見るものの心を揺さぶりかけるのは、じつはソ連〜ロシア・バレエの特徴であり大きな魅力だ。 リハーサル・スタジオは、熱気に満ち溢れていた。超絶技巧で心情をさらけ出すソリスト、細かいリズムを一斉に刻む群舞。ダンサーたちの動きには一瞬の隙もない。ロシア・バレエの伝統を、斬新に、スタイリッシュに受け継ぐ者たちのダンスは、エネルギッシュで誇らしげでもあった。 桜井多佳子(舞踊評論家) ▼画像をクリックすると瓦版をPDFでご覧頂けます▼[past_image 2] ボリス・エイフマンのインタビューを今後配信予定です。お楽しみに! ------------------------------------ エイフマン・バレエ 「ロダン 〜魂を捧げた幻想」 2019年7月18日(木) 19:00 2019年7月19日(金) 19:00 「アンナ・カレーニナ」 2019年7月20日(土) 17:00 2019年7月21日(日) 14:00 会場:東京文化会館 公演の詳細はこちらから [past_image 3]
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