2016/11/21

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バイエルン放送交響楽団 ミュンヘン・ヘラクレスザールでの演奏会レポート(2016年11月17日)

いよいよ、日本公演がスタートする、マリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団。 11月28日(月)サントリーホールで行われる、ギル・シャハムとのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ストラヴィンスキーのバレエ組曲《火の鳥》(1945年版)の演奏会が、ミュンヘン他3都市で行われました。現地から届いた新鮮なレポートをご覧ください。 〜ギル・シャハムの演奏に自然と惹き込まれ、笑みを浮かべる聴衆。 めくるめく色彩で《火の鳥》を描くヤンソンスとバイエルン放送響〜 [past_image 1]  ギル・シャハムの顔は、まだ一音も弾く前から、満面の笑みに輝いていた。彼は、マリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団と共演することを心から楽しんでいるのである。シャハムは、2014年にはこの楽団のアーティスト・イン・レジデンスも務めており、オーケストラとの関係は万全。その気心が知れた様子が、このコンサートでも伺えた。 [past_image 3]  シャハムは、オーケストラと聴衆とコミュニケーションを取りながら演奏する。繊細でチャーミング、ウィットと自発性に溢れ、ベートーヴェンがヴァイオリン協奏曲で要求する表現のパレット、音楽的かつ人間的な成熟を備えている。楽団と一体になり、時には伴奏役に回り、時には主人公となるが、テクニック偏重に陥ることなく、音楽そのものを表現しようと努めているのである。シャハムが素晴らしいのは、それを子供のような天真爛漫さで行うことだろう。聴衆は、彼の演奏ぶりに自然と惹き込まれ、自ら顔に純真な笑みを浮かべるのである。 [past_image 2][past_image 4]  演奏会の後半、シャハムは客席で、ヤンソンス指揮のストラヴィンスキー:バレエ組曲《火の鳥》(1945年版)に耳を傾けた。その演奏は、「かつて聴いたことがないほど華麗で、密度の濃いもの」であり、「聴いていて涙が出てきた」という。バイエルン放送響の響きは、ずっしりと重く、それは聴衆にも強く訴えかけた。打楽器の鋭い響きは閃光のように客席を貫き、木管楽器は、様々な魔力を持った火の鳥の幻想的な世界を、めくるめく色彩で描き出した。シャハムは終演後、ヤンソンスを「最高のマエストロ」と呼んで、その演奏を讃えた。 アンネカトリン・シュヌーア(バイエルン放送協会) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - [past_image 6] 巨匠ヤンソンスが魅せる、オーケストラ芸術の粋 芳醇なる黄金の響き。 マリス・ヤンソンス(首席指揮者)バイエルン放送交響楽団 2016年11月27日(日) 14:00開演 サントリーホール 2016年11月28日(月) 19:00開演 サントリーホール ヴァイオリン:ギル・シャハム 公演詳細はこちらから [past_image 5]
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