2017/1/7

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イワン・ワシーリエフのインタビューが届きました。[ボリショイ・バレエ]

【再掲】 昨年ミラノ・スカラ座バレエ団と来日し、会場を驚きと幸せで包み込んだワシーリエフに、今年6月に予定されているボリショイ・バレエ日本公演について話を聞きました。 [past_image 2] 今回、東京で『パリの炎』を踊っていただけますことを、心から楽しみにしています。『ドン・キホーテ』や『スパルタクス』に次ぐあなたの代表作だと思っていますが、フィリップとあなた自身との共通する部分はどのようなところでしょうか? 男らしく、雄々しく強い性格、それと、現状に甘んじることなく、何かに抵抗して、殻を突き破って自分や社会を変えていこうとする革命的な意志でしょうか。 2008年にラトマンスキーが改訂振付した際、一緒に作業などなさったと思いますが、その時のエピソードを教えていただけますか? とても楽しい作業でした。振付稽古の初日から、ラトマンスキーは私に「このヴァリエーションはどんな風に踊っているの?踊ってみてくれない?」「あのヴァリエーションを君はどう踊っているの?」と相談されました。 ひと通り踊って見せると「それじゃぁ、君のヴァリエーションで振り付けよう!」と言って、私が踊ったヴァリエーションをベースにして振り付けることになったのです。もちろん、振付の過程で多少、変えたところはありますが、私がそれまで踊ってきたヴァリエーションがベースになりました。私はそれまでにバレエ学校時代を含めると、13年間もガラ公演などで、『パリの炎』のパ・ド・ドゥやヴァリエーションを踊ってきましたが、全幕を通して踊るのはラトマンスキーの改訂振付版が初めてだったので、いろいろと新しく気がついたこともありました。 ガラ公演では、作品の一部を切り取って踊ることになるので、観客の皆さんにドラマ性を感じていただくのが難しいのですが、全幕を踊ったことで一貫したストーリーの中で“フィリップの人生を生きる”という確かな感触があります。お客様も華麗な踊りだけでなく、ドラマの醍醐味も楽しんでいただけるのではないでしょうか。 そうそう、2013年からはミハイロフスキー劇場でもミハイル・メッセレル振付の『パリの炎』を踊っています。いよいよフィリップは僕の一部になってきています。 『パリの炎』はテクニック的な部分が注目されやすい作品ですが、他のあなたが伝える魅力はどこでしょうか? ドラマ性とエネルギー、でしょうね。いくらアクロバティックに派手に踊って見せても、心の底からほとばしるエネルギーが感じられなければ、空疎な踊りになってしまうでしょうから。 [past_image 1] ボリショイ・バレエを去り、世界的に活躍なさっていますが、当時と今とで変わったこと、変わっていないことを教えていただけますか? 「ボリショイ劇場を去った」という実感はあまりないですね。たしかに、ボリショイ劇場の専属ダンサーではなくなり、ミハイロフスキー劇場のプリンシパルを務めているほか、先日日本での公演に参加したミラノ・スカラ座バレエ団を始め、世界各国のバレエ団に招かれることも多くなりました。ただ、ボリショイ劇場でもしょっちゅう踊っていて、ボリショイ劇場に出演しなかったシーズンは一度もありません。 変わったことと言えば、ダンサーとしての活動と並行して、最近は振付の仕事もするようになりました。この1年半ほどの間に、『ボレロ』(音楽:ラヴェル)、『モルヒネ』(原作:ブルガーコフ、音楽:マーラー)、『盲目の関係』(音楽:マルクス・リヒター)、『愛はどこにでもある』(音楽:ストラヴィンスキー)の4本の作品を振り付けました。最初の3本はエルミタージュ劇場やミハイロフスキー劇場でトリプルビルの形で上演しています。 『愛はどこにでもある』はボリショイ劇場でセルゲイ・フィーリンが主宰する《若手振付家ワークショップ》の出品作品として制作したものです。精神病院を舞台にして、患者と医者など、そこに関わる人々の人間模様を描いたものです。近々、イタリア公演でも上演することになっています。 『ボレロ』では私は出演していませんが、ほかの3作品では僕も踊っています。 また、12月31日にはサンクトペテルブルグのエルミタージュ劇場で、チャールズ・ディケンズ原作、チャイコフスキーの音楽による『クリスマス・キャロル』を振付・上演する予定です。その後、ミハイロフスキー劇場でも上演します。これまでの4作品は一幕構成のバレエでしたが、今度は二幕構成のバレエに挑戦する予定です。 ますます充実してきますね。日本のファンも6月を楽しみにしています。ありがとうございました。 --------------------------------------------------------------- ▼来日60周年 お年玉キャンペーンページはこちらから▼[past_image 3] --------------------------------------------------------------- 初来日から60年、バレエの殿堂が魅せる輝きと進化。 ボリショイ・バレエ6月4日(日)13:00「ジゼル」オブラスツォーワ/ツヴィルコ 6月4日(日)19:00「ジゼル」ザハーロワ/ロヂキン 6月5日(月)19:00「ジゼル」クリサノワ/ラントラートフ 6月7日(水)18:30「白鳥の湖」スミルノワ/チュージン 6月8日(木)13:00「白鳥の湖」シプーリナ/オフチャレンコ 6月8日(木)19:00「白鳥の湖」ザハーロワ/ロヂキン 6月11日(日)18:00「白鳥の湖」ステパノワ/オフチャレンコ 6月12日(月)18:30「白鳥の湖」スミルノワ/チュージン 6月14日(水)19:00「パリの炎」クリサノワ/ラントラートフ 6月15日(木)19:00「パリの炎」シプーリナ/ワシーリエフ 公演の詳細はこちらから
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