2015/10/19
【記者会見レポート】仙台フィルハーモニー管弦楽団 東京特別演奏会
2016年4月17日(日)開催予定の、【仙台フィルハーモニー管弦楽団 東京特別演奏会】の記者会見が都内で行われました。この日は午前中から仙台にて2016年度の定期演奏会の記者会見を行い、その足で東京まで移動し東京特別演奏会の会見を開催しました。
最初に、コンサートマスター神谷未穂さんのメッセージ動 画をご覧いただきました。
要約:「震災コンサートをさせていただく中で、仙台フィルの音が変わったと言われるようになりました。レリオを演奏するのは初めてです。パスカル・ヴェロとともにどのような音楽をお届けできるか楽しみ。皆さまにお会いする日が待ち遠しいです。」
神谷さんからの動画メッセージに続き、震災間もないころMo.ヴェロが指揮した復興コンサートの映像「ふるさと」をご覧いただきました。マエストロは「ふるさと」の歌詞を覚え、歌いながら指揮なさったそうです。
続けて、仙台フィル専務理事 佐藤吉正氏のご挨拶です。
[past_image 1]
「さまざまなご支援をいただきながら、仙台フィルも被災者の皆さんの気持ちに寄り添いながら500回を超える復興コンサートを行っ てまいりました。来年4月に予定している東京公演では、これまでの感謝をお伝えするとともに、震災後に変化を遂げたと言われる仙台フィルの音楽を聴いていただければ嬉しいで す。」
次に仙台市東京事務所所長の遠藤和夫氏のご挨拶です。
[past_image 2]
「震災後、仙台フィルがより身近になりました。仙台フィルがより音楽を届けるという気持ちを強く持ち始めたからなのでは・・・。
復興への支援は物質的なものももちろん、精神的な支援の要請も強くなっ ているように感じます。この東京公演が励みになり大きな力につながれば嬉しいです。」
続けて、マエストロ.ヴェロのご挨拶です。
[past_image 4]
マエストロは「定期演奏会が300回を迎えることをきっかけに、仙台フィルをより大きく発展させたいと思います。今回上演する幻想交響曲とレリオはセットになった作品です。レリオには〜生への回帰〜というタイトルがついていますが、これは仙台の姿に重なる部分があると思います。この作品を、仙台の俳優 渡部ギュウさん、仙台の合唱団と上演できることは意義深いことだと感じています。」
続けて、レリオ役を務める渡部ギュウさんのご挨拶へ・・・
レリオ役を務める渡部ギュウさん。
[past_image 3]
「以前は米沢ギュウという名前で活動していました」という言葉に、マエストロが「私の名前はヴェロ(と、舌を出す!)牛とヴェロ!」と笑いを誘います。
会場が和んだところで、ギュウさんは続けて下さいます。
「レリオ役はベルリオーズ自身なのかもしれません。この作品のドラマ性を伝えたい。震災の後、日常があまりにも非日常すぎて、ドラマが受け入れられない時期がありました。でも私たちにはドラマが必要なのです。舞台はスペクタクルなものになると思います。テキストが持っている言葉の強さをエネルギッシュに演じたいです。」
登壇者皆さんのご挨拶のあとは、質疑応答へ。
仙台フィル第300回定期記念合唱団合唱団についての質問には、マエストロが丁寧に応えてくれました。
「このようなプロジェクトを地元の方の協力を得ることを大切だと考えています。仙台では仙台の合唱団とともに、東京公演ではさらに東京の合唱団にも加わってもらい上演いたします。」
さらに、ソリストのテノールのジル・ラゴン氏についても、教えてくださいました。
「ジル・ラゴン氏は、仙台フィルと「ペリアスとメリザント」でも共演しており、周りの人々と協調し作品づくりに取り組むことにも熱心な、素晴しいテノールです。」
合唱団の指導は、これまでも仙台フィルの公演に貢献して下さっている佐藤淳一氏のお力をお借りするとともに、マエストロにも事前に指導してもらう予定です。」と村上満志演奏事業部部長。
マエストロは「稽古を重ねるということは素晴しいこと。練習ができるということは素晴しいこと。練習こそが豊かさなのです。」と加えました。
仙台フィルと長い関係を築いていますが、思い出に残る上演は?との質問に対しては、
「私は少しベルリオーズ的な部分があって、今を“200%生きる”のですが・・・」 とお話になるうちに、どんどん思い出が出てくるマエストロ。
「ベルリオーズは、時代をかなり先駆けて活躍した人・・・。そして一昨年、サンクトペテルブルグとモスクワで行った演奏は、忘れられません。」との言葉の後には「私はオーケストラと、人々と関係を築く時には、とことんまで・・・と思っています。」と力のこもった言葉で結びました。
そして、佐藤専務理事から閉会のご挨拶「この東京公演は仙台フィルにとって大きな節目のコンサートになります。皆さまのご支援、ご協力をお願いいたします。」と述べました。
その後、フォトセッションを行い会見は終了いたしました。
[past_image 5]
----------------------------------------------------------
パスカル・ヴェロ指揮
仙台フィルハーモニー管弦楽団 東京特別演奏会
2016年4月17日14:00開演、サントリーホール
〜 ベルリオーズ本来の構想に基づく二作連続演奏 〜
「幻想交響曲」〜ある芸術家の生涯〜 作品14a
「レリオ、または生への回帰」叙情的モノドラマ 作品14b ※
※日本語台本による語りと、原語歌唱
⇒ 公演の詳細はこちらから