2015/6/26
古都ドレスデンの伝統と革新がうみだす特別な魅力
来日直前!
注目のミヒャエル・ザンデルリンク率いる、名門楽団ドレスデン・フィル。
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2013年6月、ミヒャエル・ザンデルリンク指揮するドレスデン・フィルは、聴く者に強烈なインパクトを与えた。前半のベートーヴェンの交響曲第7番で、ピリオド奏法を取り入れたストレートな響きが、古都の名楽団から放たれたのがまずは衝撃的。だが重厚で底光りする“ザクセンの音”も揺るぎなく存在している。曲は対抗配置によって見通しよく進みながら、極めてエネルギッシュ。まさに7番の魅力が全開となった。ところが後半のブラームスは、通常の配置によるロマンティックで分厚い演奏。この自在の対応にも驚かされた。
1870年に創設されたドレスデン・フィルは、ブラームス、R.シュトラウス、ニキシュらが指揮台に立ってきた名門である同時に、ケーゲルやプラッソンなど多彩なシェフのもとで活動してきた、フレキシブルな“コンサート・オーケストラ”。古雅な伝統の響きとヴィヴィッドな感覚の両立が、歌劇場のオケ、シュターツカペレ・ドレスデンとは違った魅力を形成している。
2011年以来の首席指揮者ミヒャエルは、父が巨匠クルト・ザンデルリンク、兄二人も指揮者という名家の血筋だが、ゲヴァントハウス管やベルリン放送響のチェロ奏者を経て指揮者になった。つまり、重厚な音楽を聴かせたクルトの血と、多くの名匠の解釈を実践した経験値の融合が、急上昇の所以。彼が指揮するベートーヴェンの7番を聴いた90歳の父の言葉=「自分の信じる演奏とは違うが、次回はお前の解釈を試してみよう」が、その才能を物語ってもいる。
今回はオール・ベートーヴェン・プログラム。再びあの7番を聴けるし、前回逃した方は今度こそ!だ。これも再演の「皇帝」は、清水和音の円熟のピアノとのコラボに新たな期待が集まる。それにミヒャエルはこう語る。「私たちは1シーズンに35種類ものプログラムを経験しているので、再び披露する曲も、新しさをお届けできると確信しています」。2年を経ての進化もまた、本公演を聴く楽しみだ。(音楽ライター・柴田克彦)
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古都ドレスデンが誇る名門楽団の、伝統が生む特別な響き
ザンデルリンク 指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年7月6日(月) 19時開演 サントリーホール
オール・ベートーヴェン・プログラム
「フィデリオ」序曲
ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」(ピアノ:清水和音)
交響曲 第7番
S14,000 A12,000 B10,000 C売切 D売切
6/29札幌、7/2武蔵野、7/3愛知、7/4大阪、7/5所沢、7/7上野
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