2015/6/17
【インタビュー】ウラジーミル・シクリャローフに聞く(マリインスキー・バレエ)
高く優雅なジャンプ、流れるような腕の動き、深い内面性−
甘いルックスとともに人気の“マリインスキー・バレエの王子”ウラジーミル・シクリャローフ。
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そんなシクリャローフが5月、秋の【マリインスキー・バレエ】日本公演で披露する「ロミオとジュリエット」「愛の伝説」「白鳥の湖」について存分に語ってくれました。
(2回に分けて連載いたします。)
Q:あなたの踊りからは、いつも情熱を感じます。同時に正統的な「美」もあり、マリインスキーのプリンシパルである素晴らしさを感じます。踊ると時に自ら課していることはありますか?
S(シクリャローフ):そのように言っていただき、とても嬉しいです。
僕が踊るときに努めていることは、自分自身を超えることです。今の自分自身より進歩することです。僕がマリインスキー劇場に入団した時は、ルジマートフやゼレンスキーといったスターダンサーたちが踊っていて、彼らの背中を見ながら僕は自分自身を磨いてきました。それから12年。ああ長いですね…日本に行くときには、マリインスキー・バレエに入団して13年目のシーズンになります!
今は、若いダンサーたちが次々に入団しています。そんな中には、僕を目標にしてがんばっている後輩たちもいます。そういう若手たちの、今度は私が手本とならねばなりません。彼らに、プロフェッショナリズムを示し、向上心を感じ取ってもらえるような踊りをしたいと思っています。もちろん、責任感だけではありませんよ。何よりも踊る喜びを、僕はステージに立つたびに感じますから。
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Q:今回日本で踊ってくださる「ロミオとジュリエット」は以前、ザハーロワさんと踊ったことがあり、踊った後2日間は役に浸りきってしまった、とお話しされていました。特にドラマティックな作品の時には、どのような役作りをされますか?
S:「ロミオとジュリエット」は、私の大好きな演目です。とても私に“近い”役で、本質的に自分に合う、とてもしっくりくる役です。この作品を踊ることができることを、神様に感謝したいと思います。ロミオ役に入る時に、長く考えることはありません。むしろ、その役から抜け出すのが大変で大変で…。
Q:役を引きずってしまうのでしょうか?
S:というよりも、物理的に力を取り戻すのがとても大変なのです。何しろドラマティックな作品です。憧れ、喜び、不安、涙、怒り・・・本当にたくさんのさまざまな感情が凝縮され、まじりあい、それを全力で演じるのですから。私は器用に、半分の力で踊るなどということは決してできません。いつも100パーセント全力投球の男なのです。終わると、もうぐったり!精神的にも、体力的にも疲労困憊です。その後、精神力と体力を取り戻すのに、時間がかかってしまうのです。でも、繰り返しますが、私が大好きなバレエなので、踊ることは至上の喜びです!
Q:「愛の伝説」はマリインスキー劇場で生まれた作品です。初演当時にこの作品を踊っていたダンサーが先生として指導してくださることはありますか?
S:「愛の伝説」が生まれたころに活躍していたレジェプムィラト・アブディエフさんに教えを請いに行きました。そこで、役作りのところからアドバイスしていただけたのです。フェルハドという役を、一から知り、掘り下げ、僕自身が納得できるように一緒に創り上げていってくれる唯一の先生、先輩は、アブディエフさんだと思ったからです。そして実際、大切なことをたくさん学ぶことができました。
⇒ その2へ続く
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世界のバレエの至宝。ロシア芸術の都サンクトペテルブルグの高貴な華
マリインスキー・バレエ<キーロフ・バレエ>2015年来日公演
⇒ 詳細はこちらから
「ジュエルズ」
11月26日(木) 18:30 文京シビックホール大ホール
「愛の伝説」
11月27日(金) 18:30 東京文化会館
11月28日(土) 13:00 東京文化会館
「ロミオとジュリエット」
11月30日(月) 18:30 東京文化会館
12月1日(火) 18:30 東京文化会館
12月2日(水) 13:00 東京文化会館(平日マチネ公演)
「白鳥の湖」
12月4日(金) 18:30 東京文化会館
12月5日(土) 12:30 東京文化会館
12月5日(土) 18:30 東京文化会館
12月6日(日) 13:00 東京文化会館