2015/4/27

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【インタビュー記事掲載】ザンダー・パリッシュ(マリンスキー・バレエ)

 マリインスキー・バレエにイギリス人として初めて入団したセカンド・ソリストのザンダー・パリッシュ。  ロイヤル・バレエ団を経て、パリッシュはなぜマリインスキー・バレエに入ったのか。そして初めて主演した時の喜びまでを語っています。 今秋、来日公演で初主演する彼にご注目ください。 [past_image 1] 本インタビューは「Dance Magazine」に掲載されたものを、翻訳したものです。 僕が踊る理由 <王子役にふさわしい雰囲気をもつエレガントなダンサー、ザンダー・パリッシュは、ロシア・サンクトペテルブルグのマリインスキー・バレエに入団した初めてのイギリス人である。彼は幼い頃からロンドンのロイヤル・バレエ学校で学び、2005年に妹とともに英国ロイヤル・バレエに入団した。そして'10年にマリインスキー・バレエに入団した後、《ジゼル》《シェエラザード》《ショピニアーナ(レ・シルフィード)》《白鳥の湖》、バランシン振付の《アポロ》《ジュエルズ》《セレナード》《真夏の夜の夢》《シンフォニー・イン・C》などで主役を務めている。さらにアレクセイ・ラトマンスキーとバンジャマン・ミルピエの振付作品にも出演している。>  私は他の数えきれないほどの男性ダンサーと同じで、妹のレッスンに着いていっているうちにバレエの世界に入りました。8歳のときのことで、妹は7歳でした。妹が学校の公演で踊るのを見て、母に「なんで僕も舞台に上がれないの?」と聞いたのです。といっても、私が惹きつけられたのはバレエそのものより、舞台で演じることの魅力のほうだったのだと思います。この美しい、私が一生をかけて取り組む【芸術】に愛と尊敬を捧げ始めるのは、11歳でロイヤル・バレエ学校に入学した後のことです。そして卒業すると英国ロイヤル・バレエに入団して、忍耐の価値を学びました。ロベルト・ボッレ、フェデリコ・ボネッリといったダンサーと一緒に舞台に上がるのは最高でしたが、私はまだ大きなカンパニーの一番下っ端で、昇進の機会はなかなか巡ってきませんでした。  毎日が不満でいっぱいの時代でしたが、決して無駄にはなっていません。実際、蝶が飛ぶ力をつけられるのは、さなぎから出ようとして奮闘するからだそうです。ある日、新しい特別教師が招かれました。バレエ団ではよくあることなのですが、このときの教師はロシア人で、エネルギーが感じ取れるような人でした。クラス・レッスンで彼は私に目をとめました。私の望みがようやく叶ったわけです。そして2週間後に彼はロシアに帰ってしまい、また日々が過ぎていきました。しかしこの素晴らしいバレエ・マスターはユーリー・ファテーエフで、6か月後にマリインスキー・バレエの監督になったのです! ユーリーは私を忘れてはおらず、彼のバレエ団に加入しないかと誘ってくれました。自分ではまだ力が足りないと思いましたが、彼は私の可能性を見込んでいました。両親とたくさん話し合い、よく考え、祈った後、私は神がくださったこの機会を無駄にしてはいけないという結論に至りました。 [past_image 2]  '10年にロンドンを発ち、新しい師のもとに赴きました。我々はスタジオで何時間もすごし、彼は私の技術に鋭い目を向けました。私はその試練を切り抜けましたが、彼は私をきびしく舞台上で学ばせることに決めたので、ロシアに来てから4週間で主役を踊ることになりました。《ショピニアーナ》の詩人役を演じながら私は舞い上がっていました。そして無事に踊り終えたことに心からほっとしたとともに、これまでの日々はこの一回の公演のためにあったようなもので、もう引退してもいい、と感じるほどの満足感をおぼえました。しかし私はまだ23歳で、出発点にすぎませんでした。舞台経験を積めば積むほど舞台で新しいことに挑戦したくなり、演じる役柄の性格を掘り下げて、観客の心に響く何かを伝えようと夢中になりました。これは本当に楽しいことなのです。そして、演技をして役柄になりきることがとても重要だと考えるようになり、その結果、技術ばかりに気を配っていたときよりも、ずっとなめらかに踊れるようになりました。7月にロンドンに帰って、正反対と言ってもいいくらいに違うふたつのフォーキン作品《ばらの精》と《シェエラザード》を踊ったときに、そのことが特に実感できました。地元の観客に今の自分を見てもらうことができたのはすばらしい経験でした。  以前は踊っている間は演じることに集中していましたが、今では観客、世界中の観客のために踊っているということを意識しています。 ------------------------------------------------------- 世界のバレエの至宝。ロシア芸術の都サンクトペテルブルグの高貴な華 マリインスキー・バレエ<キーロフ・バレエ>2015年来日公演 詳細はこちらから 「ジュエルズ」  11月26日(木) 18:30 文京シビックホール大ホール 「愛の伝説」  11月27日(金) 18:30 東京文化会館  11月28日(土) 13:00 東京文化会館 「ロミオとジュリエット」  11月30日(月) 18:30 東京文化会館  12月1日(火) 18:30 東京文化会館  12月2日(水) 13:00 東京文化会館(平日マチネ公演) 「白鳥の湖」  12月4日(金) 18:30 東京文化会館  12月5日(土) 12:30 東京文化会館  12月5日(土) 18:30 東京文化会館  12月6日(日) 13:00 東京文化会館
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