セミヨン・ビシュコフ
*appeared with touring orchestra only
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1952年レニングラード(現・サンクトペテルブルグ)生まれ。1975年アメリカに移住し、1980年代半ばよりヨーロッパをベースに活躍している。
2013年のチェコ・フィルとの公演に続いて、彼は同楽団と「チャイコフスキー・プロジェクト」を開始。コンサート・シリーズやスタジオ録音などを通して、チャイコフスキーの音楽を追求する喜びを共有している。同プロジェクトでは、2016年秋にデッカ・レーベルから交響曲第6番「悲愴」(カップリングは幻想序曲「ロメオとジュリエット」、1年後には「マンフレッド交響曲」をリリース。そして2019年秋には、チャイコフスキーの交響曲全曲、3つのピアノ協奏曲、弦楽セレナード、「フランチェスカ・ダ・リミニ」などが収録されたボックスセットの発売と、それに続く同楽団のプラハ、東京、パリ、ウィーンでの公演で最高潮を迎える。
ソヴィエト連邦を離れてから14年後の1989年、彼は母国に戻り、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者に就任。そして同年、パリ管弦楽団の音楽監督に就任した。また、その数年前からニューヨーク・フィル、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管などの楽団で活躍し、国際的なキャリアが活発になった。1997年にはケルン放送交響楽団の首席指揮者、1998年にはドレスデン国立歌劇場の首席指揮者に就任。2018年10月、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者・音楽監督としての任期をスタートさせた。
ビシュコフは、欧米の主要オーケストラや歌劇場で指揮をしている。チェコ・フィルのタイトルの他、BBC交響楽団の名誉称号も与えられ、BBCプロムスには毎年登場している。また王立音楽院では、チェコ・フィルと共に、2020年より教育プログラムのシリーズを立ち上げる予定。また2015年のインターナショナル・オペラ・アワードでは、「コンダクター・オブ・ザ・イヤー」に選出された。
コンサートのステージにおいては、生来の音楽性と厳格なロシアの教育に拠る演奏が高く評価されている。4世紀という広範囲におよぶレパートリーを持ち、今シーズンには、チェコ・フィルとの大規模な日本ツアー(今回)やロシア、中国、スペインでの公演の他、ミュンヘン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の本拠地とドイツでの公演や、ウィーンでのR.シュトラウス「エレクトラ」、ロンドンでのワーグナー「トリスタンとイゾルデ」などの公演が予定されている。
録音でのキャリアは1986年にフィリップスとの契約で始まり、ベルリン・フィル、バイエルン放送響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、フィルハーモニア管、ロンドン・フィル、そしてパリ管などと膨大かつ記念碑的なディスコグラフィーを作り上げてきた。ケルン放送響との13年のコラボレーション(1997-2010)では、ブラームスの交響曲全集やR.シュトラウス、マーラー、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフ、ヴェルディなどの作品を収録。ワーグナー「ローエングリン」の録音は、BBCミュージック・マガジンのレコード・オブ・ザ・イヤー2010に選出され、ウィーン・フィルとのシュミットの交響曲第2番の録音は、同誌の「レコード・オブ・ザ・マンス」に選出された。