趙 静
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深い音楽性とヴィルトゥオシティを併せ持つ趙静は、今や国際的な地位を確立しつつある最も前途有望なアーティストのひとりである。同世代の中でも有数の中国人チェリストである趙静は、権威あるコンクールとして知られるミュンヘンのARD国際音楽コンクールで第1位を受賞し、2009年には日本のエクソンモービル音楽賞を受賞。小澤征爾により北京大劇院におけるニューイヤー特別ガラ・コンサートのソリストに、ヴァイオリンのヴァディム・レーピン、ピアノのランラン、歌手のキャスリーン・バトルと共に選ばれた。小澤征爾はそれ以前にも趙静のベルリン留学に助力しており、趙静はベルリンのカラヤン・アカデミーで学ぶほか、ヨーヨー・マ、ロストロポーヴィチにも個人レッスンを受けた。
ロストロポーヴィチは彼女の類まれな才能を認め、ベルリン音楽院の有名なダヴィド・ゲリンガスのクラスで学ぶことができるように計らった。小澤征爾、ロリン・マゼール、リッカルド・ムーティ、アンドリス・ネルソンス、チョン・ミョンフン、ムーハイ・タン、ミハイル・プレトニョフ、ユーリー・バシュメット、小林研一郎、ジャン・フルネ、エリアフ・インバル等、趙静は世界の一流指揮者との共演を重ねている。また、NHK交響楽団、ベルリン交響楽団、新日本フィルハーモニー管弦楽団、北京交響楽団、バイエルン放送管弦楽団、ミュンヘン室内管弦楽団、香港フィルハーモニー、韓国のKBSフィルハーモニー、北ドイツ放送交響楽団、スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、シドニー交響楽団、シンガポール交響楽団等多くの世界的名門オーケストラと共演を果たしている。趙静はベルリン滞在中に室内楽でも引く手あまたの演奏家となり、エマニュエル・パユ、ガイ・ブラウンシュタイン、樫本大進、ポール・メイエ、ボリス・ベレゾフスキー、エリック・ル・サージュ、アントワン・タメスティ、コンスタンチン・リフシッツ、トレヴァー・ピノックらと共演している。チョン・ミョンフンと共にアジアツアーを行った際には、日本の皇太子殿下との共演にも招かれた。
また、ドーラ・シュヴァルツベルクと共にアルゲリッチに選ばれ、アルゲリッチのルガーノ・フェスティバルの期間中にチャイコフスキーの三重奏曲を演奏、録音した。今では趙静はこのフェスティバルの常連ゲストとなっている。そのほかエルサレム国際室内楽フェスティバル、ザグレブ国際フェスティバル、ザグレブ室内楽フェスティバル、Roland’s Ecke in Bonn WH、バート・キッシンゲン、イスタンブール国際フェスティバル、アルゲリッチの別府フェスティバル、ラ・フォル・ジュルネ等多くのフェスティバルに出演している。
趙静は国際的に活躍し、最高難度のレパートリーも難なく弾きこなすチェリストとして認められており、その深い音楽家精神を世界中の聴衆に届けることができる。
これまでに日本のヴィクター・エンターテインメントから5枚のCDがリリースされている。使用楽器は私立財団より貸与されているモンタニャーナ(1738年)。今後のCDとしては、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲のロシア・アルバムと、タン・ドゥンのチェロ協奏曲2曲を含む中国アルバムがリリースされる予定である。