モスクワ合唱団
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モスクワ室内合唱団は、優れた指揮者、教授で、合唱芸術の改革者と称されるウラジーミル・ミーニンによって1972年に設立された。
今日に至るまで、同氏が芸術監督を務めており、世界では別名“ミーニン合唱団”としても知られている。
オーストラリアを除く世界全大陸で行ってきた演奏活動では、いずれも大成功をおさめている。
ソ連時代には禁じられていたロシア作曲家の宗教音楽を、世界の舞台に復活させたのも、モスクワ室内合唱団である。
その中には、ラフマニノフの『晩祷』や『聖ヨハネス・クリソストムスの典礼』、チャイコフスキーやチェスノコフ、グレチャニノフ、カスタリスキーらの作品がある。
合唱団の稀有な音楽性、繊細な解釈、アンサンブルとしての技量などが、大きな特徴となっている。
秀でた芸術的趣向、形式的正確さ、高い技術力が、設立当初より注目され、合唱団は国の大きな芸術財産となった。
ロシア民謡、古典音楽、西洋の古典作品、ソ連・ロシアの現代作曲家の曲など、合唱団のレパートリーは多岐にわたる。G.スヴィリードフ、V.ガヴリーリン、R.シチェドリン、G.カンチェリなど20世紀の秀でた作曲家が、モスクワ合唱団のために曲を書いている。
これまでに、E.オブラズツォーヴァ、I.アルヒーポヴァ、E.ネステレンコ、Z.ソトキラヴァ、M.グレギーナ、A.ヴェデルニコフ、Y.テミルカノフ、V.フェドセーエフ、V.スピヴァコフ、Y.バシュメットなど、数多くのソリストや指揮者と共演している。
2005年3月、ロンドンでロシア・ナショナルオーケストラ(指揮、ミハイル・プレトニョフ)とともに、S.タネーエフのカンタータ『詩編の朗読』と『ダマスカスのヨハネ』を二夜に渡って世界初演し、“THE GUARDIAN”、“THE TELEGRAPH”などで絶賛された。
1996年—2006年の10年間、毎年オーストリアで開催される夏の音楽祭“Breブレゲンツ・オペラ・フェスティバルに出演。ヴェルディの『仮面舞踏会』『トロヴァトーレ』、プッチーニの『ラ・ボエーム』、ワイルの『Royal Palace』などのオペラや、シュトラウスのオペレッタ『愉快な戦争』、バーンスタインのミュージカル『West Side Story』、ルムスキー=コルサコフの『金鶏』、ヤナーチェクの『女狐ビストロシュカの物語』、ニールセンの『仮面舞踏会』などの作品に参加した。
これまでにドイツ・グラモフォンなどから多数の録音が出ている。
2010年2月ヴァンクーバーで開催された冬季五輪の文化プログラムでは、聖アンドレイ教会などで開かれた演奏会に出演した。また、世界中に中継された同閉会式にも出演、ア・カペラでロシア国家を歌い、絶賛を浴びた。その演奏は公式サイト Vancouver-2010 Olympic Winter Gamesに掲載された。
2012年4月、モスクワ室内合唱団は設立40年を迎える。
2011年から12年にかけてのシーズン中には、様々な記念演奏会などが予定されている。モスクワ音楽院大ホールでの定期演奏会と、マリインスキー歌劇場コンサートホールで演奏されるオルフの『カトゥーリ・カリミナ』(他は、ソリスト、4台のピアノ、打楽器アンサンブルの編成)、またバーンスタインのミュージカル『Wonderful Town』などのロシア初演にも参加することになっている。