アントワン・タメスティAntoine Tamestit
プロフィールProfile
ヴィオラスペース音楽祭:共同芸術監督 / ポツダム室内アカデミー:アーティスト・イン・レジデンス / ロンドン交響楽団:LSO アーテイスト・ポートレイト
パリ生まれ。ジャン・スレム、ジェシー・レヴァイン、タベア・ツィンマーマンに師事。ミュンヘンARD国際コンクールやウィリアム・プリムローズ・コンクールで1位を獲得したほか、ヤング・コンサート・アーティスツ(YCA)国際オーディションズ、BBCラジオ3のニュー・ジェネレーション・アーティスト・スキーム、ボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞、そして2008年のクレディ・スイス・ヤング・アーティスト賞など多数の賞を受賞。
現在、世界で最も偉大なヴィオリストと称され、ソリスト、リサイタリスト、そして室内楽奏者としても高い評価を獲得。比類のないテクニックと深い芸術性をもつ音楽家であることに加え、美しく、豊で深みのある、磨きぬかれた質の高い音色で知られる。またバロックから現代曲までの幅広いレパートリーを持ち、多数の世界初演作品の演奏と録音を行っている。
これまでに行った世界初演及び世界初録音には、2018年のティエリー・エスケシュ:「歌の庭」、タベア・ツィンマーマンとタメスティのために書かれたブルーノ・マントヴァーニ:「2つのヴィオラのための協奏曲」、オルガ・ノイヴィルト:「Remnants of Songs (歌の面影)」と「倦怠は傷を癒す」、ジェラール・タメスティ「サクラ」など多数。
イェルク・ヴィトマンの新しい協奏曲は、2015年パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団との共演で世界初演。また共同委嘱者であるスウェーデン放送交響楽団及びバイエルン放送交響楽団とダニエル・ハーディングの指揮で演奏し、バーミンガム市交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スタヴァンゲル交響楽団、そしてデンマーク放送交響楽団と演奏した。
2019/20年シーズンには、ポツダム・室内アカデミーのアーティスト・イン・レジデンスに選出。ソリストや弾き振りで出演する。ロンドン交響楽団の「アーティスト・フォーカス」にも選ばれ、ダニエル・ハーディングとヴィトマンの協奏曲、フランソワ・グザヴィエ・ロトとベリオ:「ヴォ—チ」、アラン・ギルバートとウォルトンの協奏曲を共演するという、3つの協奏曲プロジェクトに出演する。さらに4つの室内楽作品のプログラムを、イェルク・ヴィトマン、デーネシュ・ヴァーリョン、カルテット・アロド、コリン・カリー、そして鈴木優人との共演予定。鈴木優人とは、19/20年シーズンを通して、オール・バッハ・プログラムをルクセンブルク・フィルハーモニック、フランクフルト・アルテ・オーパー(旧オペラ座)、インスブルックにて演奏し、今後の日本ツアーの他カーネギー・ホールとモントリオールでの演奏が予定されている。
これまで、ゲルギエフ、ムーティ、ハーディング、ヤノフスキ、パッパーノ、ウェルザー=メスト、P.ヤルヴィなど数多くの偉大な指揮者と共演。チェコ・フィル、チューリッヒ・トーンハレ管、ケルン放送響、フィルハーモニア管はじめ数々の著名楽団とも共演を果たしている。
また、フランク・ペーター・ツィンマーマンとクリスチャン・ポルテラとともに、トリオ・ツィンマーマンを創設。その他の室内楽としては、二コラ・アンゲリッシュ、ゴーティエ・カプソン、レオニダス・カヴァコス、ニコライ・ルガンスキー、エマニュエル・パユ、ユジャ・ワン、イェルク・ヴィトマンなどと共演。
ハルモニア・ムンディからはダニエル・ハーディング指揮/バイエルン放送交響楽団とのヴィトマンの協奏曲をリリース。BBCミュージック・マガジンのエディターズ・チョイスに選出され、2019年BBCミュージック・マガジン・アワードではプレミエ・アワードを受賞した。数多くの録音に加え、2019年には鈴木優人との「バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集」をリリースした。
日本では今井信子とともにヴィオラスペース音楽祭の共同芸術監督を務める。ヴィオラのレパートリーの拡大と幅広い教育プログラムに焦点を当て、その発展に貢献している。
使用楽器はHabisreutinger財団より貸与されている、1672年製ストラディヴァリ。